2024年4月グローバルビジネス学科設置(予定):本当にできるのか?
入試情報を調べるため、大和大学のHPを見ていると、2024年4月に開設予定の「グローバルビジネス学科」 (←外部リンク)の情報が公開されていました。このグローバルビジネス学科は、以前から国際系学部の新設を希望していたことから、まずは学科を設置し、いずれは学部の開設を予定しているのだと思います(情報学部と同様の届出制の利用か?(←リンク))。 また、学科定員は、80名とかなり多いと感じます。(政治経済学部3学科計:180名+80=260名)
(1)このグローバルビジネス学科(←外部リンク)の特徴、コンセプトも決まったようです。「東の早慶、西大和」にもあるように、早稲田大学政治経済学部 国際政治経済学科 (2004年開設、←外部リンク) を目指していると思いきやは少し違うようです。この新学科は、学科の名称にもあるように、「ビジネス」が強調されています。
この新学科では、3つの「ビジネスマインド、ビジネススキル、グローバルスキル」
の習得を打ち出しています。
・ビジネスマインド: 高い志、フロンティア精神
・ビジネススキル:最先端の経営学、ビジネス実践力、ITスキル
・グローバルスキル:ビジネス英語力、国際的視野、英語によるコミュニケーション力
具体的には、
・ケースメソッド教育(注意)も行うとかも書いてあります。
単なる事例紹介は、ケースメソッドとは言わない。学生さんは、きちんと予習し、授業中に発言、ディスカッションするのか?また、このケースメソッド教育をできる人はそういません。 例えば、ある大学ではケースメソッドの教授法を身につけるため、教員自らがHarvard Univ.へ研修を受けに行っている、施設も作ったとか。
授業でやろうと思っても、そう簡単ではない。
(注意:ケースメソッド教育は、一般的に次のような教育方法のことを言う。
学生たちは事前に実際のビジネス事例を基にしたケースドキュメントを読み込み、教員が用意した設問に答えるレポートなどを作成したうえで授業に臨む。そして授業当日は、教員がリードをしながら、学生同士、そして学生たちと教員とがディスカッションを進めていく。)
・ITスキルの習得として、全員のITパスポート(←外部リンク、合格率50%程度の国家試験)の取得を目指しているとか。
(2)TOEICスコア730点を獲得するための英語教育
「1年生と2年生の2年間で730点以上をねらいます」とあります(英語学習アプリ「スタディーサプリEnglish」(←外部リンク)などを導入)。この730点というと、次表にあるように、かなりハイレベルです。
そのそもTOEIC(←外部リンク)とはTest of English for International Communicationの略称です。国際的なコミュニケーションに必要な英語力を判断する試験であり、英語を使ったコミュニケーション能力を幅広く公正公平に評価するという目的で作られた世界共通の試験です。
参考: 大和大学レベルの大学だとTOEIC300点台。
国立の人でも400点
しかし、本当にできるのか? 以前、ある方のTwitterに書かれていたことを思いましました。
行って見たら、参加者は私1人。で、説明役の英語の先生2人にじっくりと話を聞くことが出来た。結論は、現場の先生の声などどこ吹く風で「宣伝」最優先でパンフレットを作っていた。しかし、さすがに英検1級は準1級に次の年くらいに変更していた。
— 新家博/Niinomi Hiroshi (@ashikabiyobikou) November 6, 2022
また、私に関心のある英検1級をFランの学生に取らせる
大和大学は西大和学園と経営者が同じで、詐欺まがい的手法も駆使し西大和を一流の進学校に仕立て上げたが、柳の下のドショウではないが、大学経営で成功するかは甚だ疑問。
— 新家博/Niinomi Hiroshi (@ashikabiyobikou) November 6, 2022
確かに学部だけはじゃんじゃん増やして拡大路線は取っているが。
それにしても多くのFラン大学の経営最優先は目にあまる。
例えば、京都先端科学大学の英語プログラム(←外部リンク)では、総時間数480時間の3年間必修英語プログラム(ベルリッツRと共同開発)などを行い、TOEICの点数を上げようとしています(永守理事長へのインタビューでは、学生の卒業時、最低でもTOEIC650点を求めている(←外部リンク)、ということでした。)。これくらい力を入れないと、点数は上がらない。
(3)比較:同様の名前を持つ学科
注意:
・偏差値は、マナビジョン(←外部リンク)の数値とした(参考:大和大学政治経済学部 56~59)。
・各大学の特色については、学部・学科のところにリンクをつけているので、各大学のホームページを参照されたい。
(4)定員を満たすことができるか?
今年度の入試の状況は、昨年度と比べ良くない(←リンク)。
2016年設置の政治経済学部は、当初、定員60+120=180名で募集していましたが、募集が上手くいかなかったようで、40+80=120名に定員を減らしました。
そこで、2023年4月、当初の120+60=180名に戻しました。
これに加え、さらに+80名となると、定員を満たすことができるのか気になります。
過去の関連記事
・一般選抜前期A日程における志願者数、増えていると思いきや減っている (2023年3月27日公開)
・政治経済学部グローバルビジネス情報学科新設か?教員募集開始 (2022年9月15日公開)
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