大学パンフレットと志願者数との関係 → 関係ある
パンフレットと志願者数との関係の分析
大学のパンフレットは、オープンキャンパスでの配布やホームページを見て請求、受験する際に読むなど多くの受験生が手に取るもので、大学にとり、非常に重要なものです。
パンフレットを作成する側の立場で考えてみると、大学のパンフレットは、担当する入試部のみならず、ホームページなどを担当する広報部や就職部、学部・教員などとさまざまな部署と連携し、コンセプト・方向性を作り、外部業者へ委託し、作成しています(はず、一部例外あり)。そのため、一度大学のパンフレットが完成すると、大幅な変更には、大学職員さんのかなりの労力・リーダーシップが必要です。そのため、大学のパンフレットは、前例踏襲となりやすいと考えています。
前の記事で、各大学のパンフレットについて紹介しましたので、ご覧ください(←リンク)
表 大学パンフレット(関西有名私大) お気に入りベスト10
比較対象大学:計22大学(関西大学 、関西学院大学 、同志社大学 、立命館大学 、京都産業大学 、近畿大学 、甲南大学 、龍谷大学 、大和大学 、摂南大学 、神戸学院大学 、追手門学院大学 、桃山学院大学 、大阪経済大学 、大阪経済法科大学 、大阪工業大学 、関西外国語大学 、京都橘大学 、佛教大学 、大手前大学 、武庫川女子大学、京都先端科学大学 )
そこで、この記事では、次の仮説を検証したいと思います。
仮説:パンフレットがより優れている大学は、受験生が増えているなど勢いがあるのでは?
→ 分析結果 「YES」
図1 志願者の前年比(横軸:2022年度/2021年度、縦軸 2021年度/2020年度)
注意
・オレンジの点線:前年比100%(前年と同じ志願者数)、黄色:パンフレットお気に入りベスト10の大学(上記、表にある大学)
・ここでの志願者数は、学部間の併願などを含めた延べの数字、実際何人の志願者(実志願者数)であるのかは公開資料からは不明です。
・右に行けば行くほど、2021年度に比べ、2022年度の志願者が増加し、上に行けば行くほど、2020年度に比べ、2021年度の志願者が増加していることを示しています。そのため、右上に行けば行くほど、大学にとり良く(志願者数が増えている)、左下に行けば行くほど、悪い(志願者が減っている)ことを示しています。
・大阪経済法科大学は、2022年度は、約2.6倍も志願者が増えており、この散布図では、見やすさのため150とした。入試制度の変更があったのだと思います。
分析結果詳細
・パンフレットお気に入りベスト10の前年比2年間平均:95.5%
・パンフレットお気に入りベスト10以外(12校)の前年比2年間平均:85.4%
→ 約10%、パンフレットお気に入りベスト10の方が志願者数の前年比が高いことが分かりました(統計的にも差があると思います)。そのため、やはりパンフレットが良い大学は、受験生が増えており、組織・大学職員も柔軟で、勢いがある(と思います)。
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