合格したら、どの程度入学するのか?(関西有名私大の入試結果より)
合格したら、どの程度入学する?
前の記事では、関西有名私大の志願者数の3年分の推移を見てきました。この記事では、合格者数に着目し、(1) 合格者数に対する志願者数(合格倍率)、(2) 合格した時の入学する割合(入学率、注)の散布図を3年分作成してみました。
各大学には定員があり、定員割れとなると、収入の面で大学運営が難しくなる場合もあります。一方、定員超過(大学の規模に応じ、入学定員の110~130%)となると、私学助成が全額不交付となる場合もあります。そのため各大学、退学もあることから定員よりも+10%程度入学してもらうのが大学経営から考えると良いです。
ただし実際の入学試験では、受験生の内、合格しても何人程度が入学するのかの線引きが難しいです。そのため、一般的な私立大学では、専願である指定校推薦で定員の半分程度を確定させ、1月下旬から2月中旬にかけて複数回一般入試を行い、かなりの割合を決め、最後の3月にある後期試験で、定員を調整するといったことを行います。そのため、受験生に合格を出すということは、ある程度の確率で、入学すると大学側も想定し、合格を出していると思います。この確率が、この記事でいう「入学率」となります。
そこで、縦軸に入学率(募集定員/合格者数)、横軸に倍率(受験者数/合格者数)とし、関西有名私大をプロットすると、次のようになりました。大学として、右上に位置する方が良く、左下に行けば行くほど、併願校としての入学など入学者の入学目的相違などの問題等があり、大学としての対応が難しくなってきます。
(代々木ゼミナール 入試結果より作成)
注:入学率は、便宜上、合格者1名に対する募集定員で計算したものであり、実際の大学へ入学する割合ではありません。前期入学試験と後期入学試験での入学率は本来は異なります、また推薦入学での入学割合などとの関係から、実際の募集定員も異なり、合格した際の大学へ入学する割合(入学率)は分かりませんので、ご注意ください。
(あ)右上(試験に合格するのも難しく、合格したら、その多くが入学する)
志望度が高い受験生が多いと推測できます(関西外国語大学:志願者数はかなり減っているものの、目的があって入学している人が多いか?)。
(い)右下(試験に合格するのも難しいものの、合格してもその多くは入学を希望していない)
ここでは、近畿大学がこれに該当し、関関同立の併願校としての位置付けか?
追手門学院大学、大和大学もここに位置し、年々左下へ移動してきています。徐々に多くの受験生も併願校としての受験が増えてきている印象で、大学経営としては順調と感じます。
(う)左上(あまり試験に合格するのは難しくないが、多くの割合で入学し、志望度が高い人が多い)
何か目的があって、受験生している人が多いと推測できます(→ 一種のブランドがある?)。
(え)左下(あまり試験に合格するのは難しくなく、合格しても入学する人の割合も少ない)
特にこの領域の中でも、左下に位置する「摂南大学」、「神戸学院大学」は併願校として多くの人が受験していると推測できます。なぜか京都の大学がここに多いのも興味深いです。何か別の要因、入試の日程等からかも分かりません。また、近年関西学院大学は、推薦学院大学などと揶揄されておりますが、確かにこの3年でどんどん左下に行っており、今後が心配です(→ 王子公園(神戸市灘区)にキャンパス新設で、悪い流れを払拭か?)。
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