関西における新学部・学科等の設置状況(2022年度、2023年度)
2022年8月31日、令和5年度開設予定の大学等の設置の認可について,大学設置・学校法人審議会において審議の上、答申がなされました。(←リンク)学校法人は自由に大学や学部等を設置できるのではなく、大学設置・学校法人審議会(文部科学省設置)の審査・調査、答申を経て、認可ならば、設置できます(届出制もある)。この規制の目的は、学生が安心して学びの場を選択できるようにするためにも、最低限の「質」を公的に担保するからということのようです。
この記事では、関西(滋賀県、京都府、大阪府、奈良県、和歌山県)における大学設置、学部・学科の設置状況をまとめました。
今まで都市部において、1500平方メートル以上の床面積を持つ工場や大学の新設や増設を禁止する工場等制限法(「首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する法律」(1959年制定)と、「近畿圏の既成都市区域における工場等の制限に関する法律」(1964年制定))がありましたが、共に2002年7月に廃止されています。
これ以降、例えば、2005年(平成17年)東洋大学が文系5学部を埼玉県朝霞市から東京都文京区への移転し、志願者数が増加したなどの成功事例もあり、多くの大学がキャンパスの都心回帰を進めています。関西では、同志社大学、立命館大学の茨木キャンパス、龍谷大学なども行なっています。
しかし現在、東京23区内では、地方大学振興法(地域における大学の振興および若者の雇用機会の創出による若者の修学および就業の促進に関する法律)、第13条において地方の若者の修学や就業を促進するため、一部例外を除き、特定地域内、2028年3月31日までの10年間、学生の収容定員を増加させてはならないとされています。そのため、今までのように魅力的な学部を首都圏には、設置できないため、関西は今、チャンス(のはず)です。
分析結果:
学部設置のキーワード:心理、国際、看護・リハビリ、経営、情報、教育
きちんと入試で学生さんを選抜ができるレベルの大学では、「新学部の設置」、また偏差値が比較的低い大学では、「学部の名称変更」を行なっているという印象です。また、少ないですが、大学の統合もあります。
表1 令和5年度(2023年度)
表2 令和4年度(2022年度)
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