大和大学情報学部 vs. 大阪成蹊大学データサイエンス学部

  大和大学、大阪成蹊大学、この両大学は、立地的に近く(約2km)、同じ年に、情報系の学部を作ったので、比較してみました。
 その結果、両大学の教育目的は異なります。外から見た教育内容は、断然、大阪成蹊大学の方が魅力的だと感じます。しかし、大和大学の方が人気です。これがなぜのような不思議なことが起きているのかも、考えてみました。
(1)基本情報
学部名称定員(1学年)教員数(注1)初年度納入金(注2)入学試験ボーダー(注3)
大和大学情報200121,550,00070%
大阪成蹊大学データサイエンス80161,696,16060%
注1: 2023年6月1日現在
注2:大阪成蹊大学では、第1期入学生奨学金給付、毎年20万円や成績優秀者の奨学金もある
注3:共通テスト 3教科型(河合塾Kei-Netより)


(2)カリキュラムの特徴
 大和大学文系の科目が多い、定員が多いにも関わらず、科目数、特に専門科目が少ない。例えば、プログラミングに関する科目がないなど、情報学関連の知識が習得できるのか、不安な内容。演習でカバーするのか、自力で学べなのか、不明。
 大阪成蹊大学:多数の専門科目があり、理系よりのカリキュラム。また、1年生前期からデータサイエンスに関連する演習(未来クリエーションプロジェクト)も行う。1・2年生でデータサイエンスの基礎を習得した上で、3年生から関連する学問分野、観光、スポーツ、ビジネスなどを学ぶ。

 (あ)大和大学情報学部(←pdf)

(い)大阪成蹊大学データサイエンス学部(←pdf)


(3)専任教員
 大和大学(←外部リンク):他大学にて、一度定年となった教員、名誉教授の再就職が多いため、平均年齢が高い。西大和学園中高の教員も3名いることが他大学とは異なります。
 大阪成蹊大学(←外部リンク):京都大学情報学部出身の教員が多く、教員数自体も理系の学部並みに多い。若手や女性教員、実務家教員もいます。このご時世、よく教員を揃えることができたなと思います。

(4)各学部の特徴
 大和大学:情報学部の学部設置が届出設置、理工学部情報科学専攻と政治経済学部から分離した学部であることから、またカリキュラムにもあるように、「文理融合型です。
 IT技術に関しては、「基本情報技術者試験」(←外部リンク、注4)を3年次までに全員が取得できるように学ぶ、とのこと。またこれに加え、アントレプレナーシップ(起業家精神)も育てるとのことです。
 大阪成蹊大学:座学中心となりやすいので、演習も多く行う、また「情報」(高校)の教員免許取得が可能であったり、将来的には大学院も設置するとか。データサイエンスの本流を学ぶことができる、といった印象。

注4:基本情報技術者試験は、実際にシステムをつくる能力を確認するIT技術者向けの資格で、「IT技術者への登竜門」と言われている、とのこと。システムエンジニア(SE)やプログラマーといったIT技術者を目指す人は、まずこの資格取得を目指すと良い。ITパスポート(←外部リンク)よりも難しいとされています。

(5)考察
 大阪成蹊大学では、1年生からの実践重視で、専門科目数も多く、また教員も多いことから必ずしも学習意欲のあまりない学生でも、何とかデータサイエンスに関する知識・技術の習得ができるのかもしれません。
 しかし大和大学では、文理融合型で、資格の取得も目指すと目標が高い。しかし、カリキュラムではプログラミングに関する科目も名称から推測すると、ないなど、これら学習意欲の高くのない学生に対して、これらのことが習得できるのか?。また、これらの学生に対しての授業は成立するのであろうか?と、気になります。

 大和大学は、まだ大学が設置され、10年目、グループ校の西大和学園中高校(←外部リンク)の躍進等もあり、期待先行、一方、大阪成蹊大学は、今までの実績に対するイメージがあります。そのため、大和大学の方が人気なのだと思います。

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