大近甲龍の時代は来るのか?(合格者の出身校調査)

大近甲龍 ?(合格者の出身校調査) 

 先日発表された、河合塾の入試難易予想ランキング表(←外部リンク)(注意1)において、関西学院大学、京都産業大学の偏差値(下図右)が下がっており、大和大学の方が相対的に偏差値が高い(下図左)とネット等で指摘されています。

 そのため、もう産近甲龍ではなく、大近甲龍(大=大和大学)となったと意見も出始めました。確かに、この河合塾の表からでは、相対的に京都産業大学よりも大和大学の方が、また、一部では、関西学院大学よりも大和大学の方が偏差値が高い、と感じます。ただし、ベネッセ(←外部リンク)(注意2)のものでは、京都産業大学の方が大和大学よりも若干上です。

 大和大学では指定校推薦でどれくらい定員のうち、どの程度入学しているのか不明で、一般的に、一般入試の枠が少なければ、少ないほど一般入試の合格は難しくなります。そのため、一般入試を合格しようと思ったら、京都産業大学へ合格するよりも難しいかも知れません。ただ京都産業大学の入学定員3730人、大和大学は1220人(情報学部、政治経済学定員増含)と規模は3倍京都産業大学の方が大きい。逆に、この規模で偏差値を維持できていると考えることもできます。

注意1:入試難易予想ランキング表(←外部リンク)は、河合塾が予想する各大学の入試難易度(ボーダーライン)を一覧にしたものです。志望校合格のためにどのくらいの得点や偏差値が必要になるのか。

 このボーダーラインは河合塾が予想する合否の可能性が50%に分かれるラインを意味します。また、この表示しているボーダーラインは、2022年6月現在予想のものです。前年度入試の結果と今年度の全統模試の志望動向を参考にして設定していますが、今後の模試の志望動向等により変更する可能性があります。また、大学の募集区分も変更の可能性があります。


注意2:総合学力マーク模試・6月(高3生・高卒生対象)のデータをもとにした、 該当年度入試における大学の「合格目標偏差値一覧」です。偏差値は、B判定基準値(入試における合格可能性60%以上80%未満)を用いています。データは毎年7月ごろ更新されます。


 ベネッセ(約45万人)よりも、全統模試(全国統一模試、受験者数年間280万人)の方が多く、また多様な受験生がいます。もちろん、現状TVCM効果などから冗談半分で、志望大学を大和大学の名前を書く学生さんも、Twitterでも散見され、大和大学の場合、本来の志望状況はなかなか分かりません。

 また以前、とある大学では、偏差値を上げるために、系列校の優秀な生徒さんに受験するようにと指導があった(←外部リンク)とかいうこともありました。


 実際、大和大学教育学部、保健医療学部(下図上)、政治経済学部(下図下)の設置当時の河合塾の偏差値を見てみると、次のようでした。特に政治経済学部の偏差値は、2016年当初52.5と近畿大学や立命館大学と並ぶ偏差値であったものの、9月更新分で45へと低下し、京都産業大学、摂南大学と同じレベルへ偏差値が下がりました。このように、偏差値はそれなりに変動するようです。実際、追手門学院大学経済学部は近年人気が出てきており、現在、37.5から45くらい(河合塾)へ上昇しています


(出典:Yahoo!知恵袋)

 そこで、偏差値だけを見ても、よく分からないので、各大学の合格者の出身校を見てみます。高校によって、公開してあるところとないところがあります。例えば、北千里高校(←外部リンク)は、それなりの数、大和大学の合格者がいると予想されますが、京都産業大学へは公開しているものの、大和大学の合格者数を公開していません。下の表は、高校のHPに公開しているもののみのランキングですので、ご注意ください。


(1)大和大学 合格者の出身校ランキング(オリジナル)
→ 偏差値55〜60くらいの高校が多く、特に大和大学(大阪府吹田市)の近隣の高校が多い印象です。

(2)京都産業大学 合格者の出身校ランキング(加工し、転載)

→ 偏差値は、若干京都産業大学の方が高い印象で、同じ私立学校が出てきています。


注意3:出身校ランキングの作成法

 みんなの大学情報(←外部リンク)、大学通信ONLINE(←外部リンク)や偏差値ランキングなどを参考にして、大和大学合格者が多そうな高校のリストを作成し、これを1つづつ高校の進学実績のページにて確認し、上記のランキングを作成しました。そのため、高校が漏れている可能性は十分あります。特に、私立高校は関関同立、産近甲龍のみの合格実績を上げていたりと、掲載されていないことの方が多かった印象です。

 京都産業大学のランキングは、study 高校受験 関西版にある「2020年度 京都産業大学の合格者数が多い高校【総合】ランキング」(←外部リンク)に所在地と偏差値を入れ、加工したものです。


→ 現状、大和大学と京都産業大学の偏差値、出身校も同じレベルであるという印象です。大和大学では、大学の近隣高校の合格者が多い印象で、京都産業大学は、入学定員が大和大学の3倍あり、周辺だけでは、定員を充足させることができない。そのため、関西以外からの進学もそれなりにあります(そのためスポーツを強化し、全国からの学生を集めいているのか?)。

 今後、大和大学がどんどん定員を増やしていくと、現在の学生募集のやり方では、定員を充足できなくなると考えています。この時、現在の偏差値を維持できるのか?

 来年度、政治経済学部が60名もの定員(120名→180名へ)を増やします、特に政治・政策学科の+20名はあるレベルの志願者が集めることができるのか。下記にあるように、偏差値が低下する要因で、この定員増でも現在の偏差値を維持できるのかが、ポイントです。これでも維持できれば、(大学としての「格」は、京都産業大学の方が断然上ですが、)偏差値だけ見れば、「産近甲龍」が「大近甲龍」となることもあり得ると考えています。


【参考】偏差値が変動する要因として、(需要と供給で考えると)次のように考えることができます。

1.  定員増による合格者を増加させることによる合格者のレベル低下

2.  人気がなくなり、志願者の減少、これに伴い合格最低点の低下、合格者の増加


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