政治経済学部での政治教育(自民党の特任教授)、政治的中立性は確保されているのか?
政治経済学部での政治教育
大和大学 政治経済学部の売りの1つは、自慢の豪華な顔ぶれである特任教授が月に1度授業があることです。この授業では、
「政官財界との強い結びつきを誇る本学ならではの、政治の実際や行政・経済・経営の現状、課題などを幅広く、かつ臨場感をもって理解する取り組みです」とのことです。
そもそも、(学長さんの)政治経済学部の目的は、ご著書「田舎の無名高校から東大、京大にバンバン合格した話―西大和学園の奇跡 」(←外部リンク)(P224)の中で、
日本の大学に、「政治家を養成する」ことに特化した大学はありません。
大和大学は真正面からそれに取り組んでいこうとしています。
略
”現場での学問”を重視したカリキュラム編成とすること
とあるように、この授業などを通じて、実際の政治家さんを養成しようとも受け取ることもできます。
そこで、どのような方々が授業を行う教員、特任教授(政治家のみ)なのか見ていきます。現在のところ、10名の方が特任教授のようです。その内、政治家が6名おり、その6名とも自民党関係者、残り4名は元公務員です。
1. 山崎拓 (←外部リンク)先生 大和大学 特任教授
元自民党副総裁、1972年に衆議院議員初当選。以後12期務める。防衛庁長官、建設大臣、自民党政務調査会長、同幹事長、同副総裁等を歴任。政策科学研究所(中曽根派→渡辺派→旧渡辺派)から分離独立し、山崎派(近未来政治研究会)を結成し、現在最高顧問。
2. 石原伸晃 (←外部リンク)先生 大和大学 特任教授
1990年、初当選、国土交通大臣、観光立国担当大臣、環境大臣、原子力防災担当大臣、自民党政務調査会長、自民党幹事長等を歴任。山崎派(近未来政治研究会)の後を継ぎ、石原派となった。しかし、2021年衆議院選挙で、落選(石原派は森山派へ衣替えした)。
3. 平沢勝栄 (←外部リンク)先生 大和大学 特任教授
岡山県警察本部長、警察庁長官官房審議官を経て、1996年初当選、内閣府副大臣、衆議院外務委員長等を歴任。2017年、近未来政治研究会(石原派)を退会し無派閥となり、その後志帥会(二階派)に入会。
4. 野田聖子(←外部リンク) 先生 大和大学 特任教授
1993年、初当選、郵政大臣、内閣府特命担当大臣、消費者行政推進担当大臣、自民党総務会長等を歴任。自由民主党所属(無派閥)
5. 森まさこ (←外部リンク)先生 大和大学 特任教授
弁護士活動等を経て、2007年の初当選後、内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全、少子化対策、男女共同参画)等を歴任。自由民主党所属、清和政策研究会(安倍派)
6. 田野瀬太道 (←外部リンク)先生 大和大学 特任教授
衆議院議員田野瀬良太郎秘書、社団法人橿原青年会議所理事長等を経て2012年、初当選後、文部科学省大臣政務官、副大臣等を歴任。自由民主党所属、近未来政治研究会(現在、森山派)。西大和学園高等学校卒業で、西大和学園の顧問でもあった。
番外:田野瀬良太郎 (←外部リンク)先生 大和大学学長自由民主党所属に所属の元衆議院議員(6期)、元近未来政治研究会(山崎派)に所属
特に、山崎先生、石原先生との関係は、ご著書、田舎に帰った青年が三バン(地盤・看板・鞄)もなく国会議員になった話 (2017年出版) [Google Books]で分かります。
また、政治経済学部の希望者を対象とした「特別教育プログラム」がスタートするとのこと(2022年6月下旬確認)。特に現役国会議員事務所でのインターンを経験できるとのこと(田野瀬太道事務所か?)。
自民党関係者(6名中4名が近未来政治研究会(山崎派→石原派→森山派)関係)による、政治家の養成、どのようになるのか、注目です!
果たして、このような政治教育を行なって良いのか?
学校には、教育基本法の「政治的中立性」が必要です。
【参考】教育基本法 第14条(政治教育)
第十四条 良識ある公民として必要な政治的教養は、教育上尊重されなければならない。
2 法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。
実際、2022年6/28(火) 19:00-20:00 松川るい個人講演会が大和大学にて、開催されました。前衆議院議員の渡嘉敷さん(←外部リンク)、後藤吹田市長さん(←外部リンク)、奥谷大阪府議会議員さん(←外部リンク)、自民党の吹田市議会議員らが参加されています。学生さんや教職員らしき人は写真に写ってはおらず、場所を貸し出しているだけなのでしょうが、・・・。
→ 特定の政党(自由民主党)の政治家による「政治家の養成」を学校・大学で行うのは、教育基本法 第14条に反するのではないか?
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