高い教員就職率のカラクリ(やっぱり大阪教育大!)
高い教員就職率のカラクリ
大和大学教育学部の教員就職率について、「大和大学:84.4% 大阪教育大学:70.2%」と大和大学の方が高く、何かカラクリがあるのではと思い調べてみました。
(出典:大和大学HPより)
結論:大和大学の教員就職率は、確かに卒業生に対する教員就職率は高い。
しかし大和大学では、教員就職者の約半数は、正規の試験に不合格であった臨時や非常勤である。
また、教員以外の進路の選択肢がないことから実現している結果である、と考えている。
【実績データ】
・大和大学:卒業者の数 201名(定員190)
168名 教員への就職(正規採用 92 臨時的任用76) 教員就職率:83.5%
(出典:https://www.yamato-u.ac.jp/assets/pdf/disclosure/ed_license/license_employment.pdf.pdf?ver=202109)・大阪教育大学:卒業者数:563名(定員900)
正規採用 229 臨時的任用 113 、保育士へ 就職や大学院等への進学を除くと、教員就職率:64.7% (教員養成課程、令和2年3月卒業生)
(出典:https://www.mext.go.jp/content/20210129-mxt_kyoikujinzai02-000012488_3.pdf)
単純に数字を比較すると、大和大学の方が凄いという錯覚する。
この数字の違和感を感じるところ、
・非正規・臨時的任用を含んでいる。
・卒業者数に対する教員就職率が非常に高いため、他の進路、教育委員会等の教育行政への就職などはほとんどないと推測できる。
(1) 教員志望の人における正規採用率
大阪教育大学57.8% 大和大学 45.8%
(出典:文部科学省「令和2年3月卒業者の大学別就職状況[教員養成課程]、大和大学ホームページ)
注:臨時や非常勤の数字は、基本正規採用のテストの不合格であった、また非常勤教員等は、多くの人が(ある程度容易に)なれるので、多くの学生さんを教員以外の進路へは進ませないような指導方法であれば、教員就職率を高くすることができると考え、入れなかった。
(2) 教員以外の進路について、東の早稲大学教育学部の進路
http://www.waseda.jp/nyusi/ebro/ug/edu_jp_2021/html5.html#page=29
7.7%が教育関連(塾を含む)。教育関連以外の方が多いのが特徴です。
実際、国立の教員養成大学でも、30%程度が教育業界以外を目指しています。
https://www.mext.go.jp/content/20210129-mxt_kyoikujinzai02-000012488_3.pdf
大和大学教育学部の学生さんのほとんどが教員となろうとしているのは「かなり」異様である。勉強してみて、教員は自身の将来の職業のイメージと異なるとかあるはずである。
仮に、学生さんの進路変更があった場合には、大変不幸になるという印象を持ちました。
(実際、他学部への転部もあると聞いている。)
(3) 教員採用試験の複数回の受験推奨
基本、関西の教員採用試験(←外部リンク)は同じ日程となることが多いですが,中四国地域の県の採用試験(←外部リンク)を積極的に受験させている印象があります。そのため、正規採用試験合格者数(複数回合格)と実数値の合格者数の数字がかなりの乖離があります(国立大学ではどのような指導があるのか不明です)。
(出典:大和大学HPより)
【参考】実際、田舎の無名高校から東大、京大にバンバン合格した話―西大和学園の奇跡 (2015年出版) によると教育学部に関して、国立大学のように「教育学」という学問を研究するのではなく、「100%教員を養成しよう」という方針だそうです。
以上より、
「教員養成系国立大学を大きく上回る大和大学の圧倒的な教員就職率!」というのは、教員就職率が高いから、教育内容が良い(早期からの学校現場体験「ヤマトプラン」や徹底した教員採用試験対策など、本学独自のサポートが実を結びました。)と言うのは、誇大広告ではないか?
(出典:大和大学HPより)
このブログの内容は、次のものと被っており、次も同時にご覧になるとよりこの数字への理解が進むと思います。
YOUTUBE : サラリーマンかず太郎 東の早慶西の大和】大和大学教育学部について
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